低分散スリット分光器の製作
回折格子を使用した2号機
器材の設定から観測まで
Written by K. Sugawara Updated on Jan. 5, 1998
この分光器の使用方法の一例を紹介します。
架台にのせ、全体を組み立てる。
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バランスの調節を十分に行う
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集光レンズ、コリメータレンズ、結像レンズの絞りを確認(通常はすべて開放)
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CCDカメラの冷却を開始(温度が安定するまでには、時間がかかる)
集光レンズのおおまかな焦点調節
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通常カメラレンズを使うので、無限大マークにあわせる(微調整はあとで行う。)
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絞りは通常いっぱいに開いておく。
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カメラボディ(集光レンズを取り付けているカメラ)のバルブ、タイムなどの機能を使ってシャッターを開き、スリットに光が入る状態にしておく。
コリメータのおおまかな焦点調節
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コリメータの後ろ側に直角プリズムを取り付け、スリット像をのぞけるようにする。
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ここに、無限遠に焦点をあわせた小望遠鏡(望遠鏡のファインダーを利用)をあてて、スリット像が
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はっきり見えるように、スリットとコリメータの距離、ピントリングで調節する。
ガイド鏡の光軸調整
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カメラボディ(集光レンズをとりつけているカメラ)のシャッターをとじ、光をカメラのファインダーへ通す。
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カメラボディのファインダーから空をのぞき、適当な星を視野のほぼ中心に入れる。
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カメラのシャッターを開き、スリットに光を通す。
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コリメータのうしろにおいた小望遠鏡をのぞきながら、スリット上に星が来るように、向きを調節
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スリットの中央に来たところで固定しておき、分光器の脇にとりつけたガイド用望遠鏡の視野内の十字線に星がのるように、ガイド望遠鏡の向きを調節する。
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ここで、次の作業も行っておく
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星の像がぼけているようなら、集光レンズのピントを再調整する。
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ガイド鏡の十字線の一方とスリットの向きを一致させる。
モニター用カメラの調節
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ガイド鏡と同様に、スリット上の星が、視野の中央に写るようにカメラの向きを調節
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スリットの端、中央、もう一方の端の3個所に星を置いた場合の像をCCDで撮像しておき、同時にビデオカメラでも撮影しておく。両者の位置関係から、目的の天体(流星痕など)を撮像したとき、CCD画像中の位置から逆算して、ビデオに写った画像のどこにスリットがのっていたかがわかるようにしておく。
結像レンズの調節
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CCDカメラに結像用カメラレンズをとりつけ、一度直接星を撮像し、ピントのあう位置を調べておく。分光器に組み込んだときは、まずはその位置にあわせておく
グレーティングの角度調節
観測の目的に応じて、とらえる波長域を変更する必要がある場合は、
ここで、適当な光源をテスト撮影し、グレーティングの角度を微調整いすることで
あわせておく。
波長同定用のネオンランプ、空の輝線などを使うとわかりやすい。
テスト撮影
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ガイド鏡を使って、スリット上に適当な恒星を導入する。
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適当な露出時間で撮影し、スペクトルの空間方向の幅をチェックする。
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一番狭くなるのが、分光器全体の焦点があった状態。
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空の明るい場所で観測する場合は、水銀の輝線なども目安になる。もっとも細く写るように調節。
比較光源
短波長側が少ないので、適当に追加(空など)
フラット
標準星、ダークなど
たわみの影響がまだわからない
問題点・課題
この分光器の製作にあたって、平成10年度文部省科学研究費奨励研究B(課題番号
)の補助をうけました。